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沼津空襲 1 (防空体制)

前から気になっていた沼津の防空体制について調べてみました。
参考にしたのは「沼津市史」や「沼津史談」などです。

太平洋戦争中の沼津には13号電探を作っていた海軍工廠や音響研究を行っていた海軍技研等の軍事施設があり、この付近の防御には独立混成第百十七旅団(いわゆる駿河支隊)が当たっていました。
この旅団は三島と愛鷹山麓の2か所に15センチ榴弾砲(型式・門数不明)の配備し、香貫山の北側(香稜台の辺り?)と徳倉山、鷲頭山に陣地を構築していたそうです。

この他に高射砲部隊(所属不明。名古屋高射砲隊か?)が2か所に配置されていました。
配置先は今は本城山と言われる戸倉城跡の本丸と西沢田の辺りです。
この他に防空監視哨が香貫山の山頂に設置されていました。

と言うわけで実地検分。

まず戸倉城。
写真は北側の狩野川対岸からの様子。
矢印の辺が本丸跡。
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駐車場に車を停めて登る事10分弱で本丸到達。
本丸中央に展望台が設置されているがこの辺に高射砲が設置されていたそうだ。
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本丸の広さから見ると1門設置するのが精一杯みたい。
脇の袖郭に弾薬庫を配置したとしても射撃指揮装置やなんやらかんやらで2門設置するのは厳しいと思う。

本丸の周囲は木が立っていて展望が開けていないので展望台に登って周囲を見る。
興国寺城(相当視力が良ければ善得寺城辺りまで)から韮山城までの北西から南東までは見晴らしが良く戦国時代の城としてはかなり効果的だが、肝心の南方は鷲津山や大平山で眺望は今一つ。
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防空監視哨の在った香貫山へ移動。
香稜台から登山道の方で山頂まで登る。
この道は尾根伝いに登るのでちょっと辛かった(*_*)

やっと着いた山頂は機器で一杯。
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13号電探では無くて色々なアンテナが付いたタワーが建っている。
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ここも周囲が木が一杯で何も見えないので一段下の展望台へ移動。

移動した展望台は何やら複雑な形。
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どうも別の用途の為に存在したコンクリート柱をベースに展望台を作った様な造りだ。

ここからの沼津市街の眺めは抜群に良い。
赤枠の辺りが沼津海軍工廠の在った辺。
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俯瞰した写真なので示した範囲はいい加減だが広大だったのが分って貰えるだろうか。

南側はこんな眺め。
赤枠内が海軍技研の在った辺。
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今は沼津3中や香貫小学校・宅地になっている。

肝心な南側には障害物が無いので駿河湾が良く見える。
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これなら昼間ならかなり遠くまで見渡せるだろう。

現在のところ防空監視哨があったのは山頂なのかこの展望台がある所なのかは不明。
両方なのかな?

帰りは今は車両の進入が規制されている車道を通って車まで下る。
車に戻ってもう一つの高射砲陣地へ移動。


各種資料から高射砲陣地の位置は西沢田の子ノ神神社周辺だと思われる。
(ただ高射砲陣地は東椎路の不動尊と書かれたHPもあり、上に書いた15センチ榴弾砲陣地と取り違えている可能性もあるので今後さらに調べたい)

子ノ神神社は愛鷹山麓によく見られる舌状台地上に存在していて、子ノ神古墳と呼ばれる前方後円墳の前方部分を削平した部分に設置されている。
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神社に向かって左側が後円部で少し小山になっている。

余談になるがこの辺は根方街道が鎌倉往還(昔の東海道)沿いなので寺や神社がとても多い。
と言うか多過ぎてパワースポットなのか?とも思える。

さて子ノ神神社だが台地上にあり周囲が畑地である為見晴しは良い。
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侵入機を迎撃するとしてもこちらに向かって飛んでくる形になるため迎撃しやすいだろう。

南東の方を見ると香貫山の防空監視哨、本城山の高射砲陣地も見渡す事が出来る。
発光信号でも十分通信できそう。
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左側の矢印が本城山の高射砲陣地、右側が香貫山の防空監視哨。

子ノ神神社の縁起が分からないのでいつからこの神社があるのか分らないが、もし戦後に建てられたものとすると(現在の建物はコンクリート製)高射砲陣地の為に前方後円墳を削平してその跡地に神社を建てたのではないかとも考えられる。

現在の社地の広さや周囲の地形から考えると高射砲が設置されたとしても1門が良いところ。
本城山の1門と合わせても沼津を守るのに高射砲2門?
たったの2門?
2門と言えば一個中隊。
これでも精一杯だったのか・・・

おまけ

これは帰り際に見掛けたコンクリート製の物置?
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位置は子ノ神神社の300m程北方。
かなり古そうだがただの物置だろうか?

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